フラクタル:形而上のなめらかな面苦悩系アート:勝手に苦悩していればいいのに

2016年06月02日

ワイヤーフレームは逆育てゲーだ

3D CGの世界では、平面、曲面にかかわらず、三角形の集合として描くのが基本である。
CG用語ではこれを「ポリゴン」と呼ぶ。
なぜ三角形が最小単位になるかというと、数学的には、同一直線上にない3点は平面を
確定するから、ということになるが、そういうことはとりあえず置いておこう。
とにかく、三角形が平面、曲面の最小単位である。

そして、その三角形を構成する3本の線だけを描いたCGの下絵にあたるものを、「ワイヤーフレーム」
という。そのまま日本語にすると「ハリガネ枠」といったところか。
CGは、そのワイヤーフレームを構成する一つ一つのポリゴンへの光の当たり方などから
どういう色になるのかを計算して描くことで、三次元的な表現をする。
これをもう少しわかりやすくするため、 CGでいつも例に挙げられる最も有名なポットの図を。
teapot
 
いきなり三角形ではなく、四角形で構成されたものになっているが、実際はこの四角形には
描かれていない対角線があり、つまり各四角形は二つの三角形が合わせられたものである。

ワイヤーフレームの絵は、明らかに線だけで描かれているにもかかわらず、 それを見る者には
曲面を幻想することができる。
このポットを構成するポリゴンを粗くすれば(=ポリゴンのサイズを大きくすれば)どんどんその
元の形はなくなる。それとは逆にポリゴンを細かくすれば、どんどんなめらかになり、元のポット
に近づく。

つまり、これは非整数次元的であり、粗いポリゴンで描かれたワイヤーフレームの曲面というも
のは、形而上にあるはずの曲面という概念をさらに抽象化したものである。

ワイヤーフレーム、特に粗いポリゴンで描かれたワイヤーフレームの絵を見て、そこに立体像を
幻想させることは、説明不足なものであり、つまり逆育てゲー的である。 

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myinnerasia at 06:22│虚構 | 逆育てゲー
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