コンピューターウイスルは人に伝染るのか?人工無能は電気羊の。。。いや、なんでもない

2016年07月08日

アンビエントミュージック=ノーマンズランドのためのインテリア

音楽で初めて「アンビエント」という言葉を使ったのはブライアン・イーノである。
"Ambient 1: Music for Airports"はその名のとおり、空港で流すために作られたものである。
アンビエントミュージックは日本語では「環境音楽」と呼ばれるようになった。

音楽から楽曲性を排除することで、自らを「インテリア」とすること。

覆面作家というものが作品と作者の関係を切り離す、というラディカリズムであったのに対し、ブライアン・イーノのアンビエントミュージックは、作品の作品性を排除する、というラディカリズムである。

自らがインテリアとなった音楽は、空港という広い空間の一部として存在することになる。
空港は世界中から人が集まり、世界中に人が出て行く出入り口になる訳だが、たとえそこに人がひとりもいなくても、ブライアン・イーノのアンビエントミュージックは流れ続けることになる。

"Ambient 1: Music for Airports"を空港においてではなく、ヘッドホンで聴くと、ある不思議な感覚が沸く。
人の気配を一切感じない空間のようなものを感じる。
これもおそらくノーマンズランド感覚なのだろう。

そして「アンビエント」という言葉は本来の意味からどんどん変化していくことになる。
まず、瞑想やリラクゼーションのために流されるものが「環境音楽」と呼ばれるようになる。
従来の楽曲が持っていたメロディーやリズム、展開などが排除されるために、感情への余計な影響がなく、深くリラックスできる、という音楽。

さらに「アンビエント」は、ハウスミュージックのひとつの分野となった。
本来はダンスミュージックだったはずのハウスミュージックは進化と変化を繰り返し、色々な形のものが現れるようになり、ダンスによる疲れやダンスが行われるクラブでの薬物の過剰摂取から回復するための「チルアウト」目的に使われる音楽をアンビエントと呼ぶようになった。

これらは本来ブライアン・イーノが実践した「音楽をインテリアとすることで音楽性を排除する」というラディカリズムとはまったく関係のない方向である。

そしてそこはノーマンズランドでもない。



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myinnerasia at 18:09│Comments(0)虚構 

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