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2016年10月01日

ブラックボックス化で森を見る

「ブラックボックス」という言葉が一般で使われるのは、飛行機の墜落事故があったときだろうか?
パイロットの会話をすべて記録したレコーダーが衝撃や熱に強い箱に入れられている。実際は発見されやすいように黒いのではなく、オレンジ色に塗られているらしい。
墜落事故時の衝撃や熱に耐えられるほどの強度を持たせることができるのであれば、飛行機を、あるいは客室だけでもその技術を応用すればいいのに、というのは素人考えか?

さて、ここで書こうと思っている「ブラックボックス」とは、パイロットの会話記録ではなく、「中身が見えない箱」についてである。
 

「中身が見えない箱」というのは物理的な箱であることもあれば、ソフトウェアにおけるあるモジュール(部品)のための隠喩であることもある。

とにかく、「中身が見えない」ということが肝心なのだ。 

ある便利な機械を使う際、僕たちはその機械の仕組みを知る必要はない。
たとえばパソコンの仕組みを知らなくても、プログラムが書けなくても、ブログに記事を書くことはできる。
そこでタイプした文字がどうやってネットで送信されて、遠くにあるサーバーから他の人に見えるように配信できるのか、ということなど知る必要はない。

それはパソコンが「ブラックボックス」であるからだ。
そして、「ブラックボックス」の中身については意識しなくてよい、というよりもむしろ「意識してはならない」。 

「中身が見えない」というのは「見ることができない」という絶望を表しているのではなく、「中身を見ることができなくしている」という工夫を表している。

パソコンのユーザーは、パソコンソフトができるだけ直感的に扱えるようになっていることを望む。
あるフォルダーから別のフォルダーへ、ドラッグ&ドロップをするほうが、コピーコマンドを叩いてファイル名を指定して、、、とやるよりもより直感的である。
実際にはその裏では、様々な処理が行われている。ドラッグ&ドロップをしようとしている人は、そのファイルを読む権限を持っているか?送り先に書き込む権限があるか?送り先にすでに同じファイル名のものがないか?ファイル移動中の進捗をメーターで表示して。。。などなど。
だがそれらを一切意識する必要のない「ドラッグ&ドロップ」という機能自体はブラックボックスである。

「ブラックボックス」は、その中身で行われる細々としたことをすべて隠蔽することでその細々としたものごとにとっての上位概念である「意味」というものに抽象化されている。
それによりユーザーは抽象化された「意味」についてだけ付き合っていればよい、ということのおかげでユーザーはより抽象度の高い仕事に専念することができる。

これはコンピューター・プログラムにおける、低級言語と高級言語の関係と同じである。
高級言語でプログラミングをするということは、低級言語をブラックボックス化している、ということである。

「木を見て森を見ず」という言葉は、ブラックボックスの中身に注目しすぎてしまうために森全体が見えなくなっていることを揶揄するものである。
ものごとを包括的に捉えるためには、ブラックボックスはブラックボックスのままにしておいて、森全体を捉えることができるようにするべきである。 

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myinnerasia at 10:07│Comments(0)メタロジック 

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