2016年07月

2016年07月31日

「第3次人工知能ブーム」と言われる昨今について、僕はずっと違和感を感じている。
あたかも「第1次人工知能ブーム」と「第2次人工知能ブーム」というものがあったかのような言葉遣いについて。

少なくとも、僕がニューラルネットの研究をしていた20年ほど前の頃のことを「第2次人工知能ブーム」などとは呼んでいなかった。 
「第2次ニューラルネットブーム」あるいは「第2次パーセプトロンブーム」という言い方はあったのかも知れない。

なぜなら、当時は「ニューラルネット」と「人工知能」ははっきりと使い分けていたからだ。
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2016年07月30日

前回の「ループの次元:その1」では、コンピューター・プログラムにおける多重ループの多重度が「次元」を表している、という話をした。

この多重ループによって、自己相似イヤリングを描くことはできるのだろうか?

かなりややこしいことをする必要があるが、多重ループによって自己相似イヤリングを描くことは可能である。
ただここではプログラミングの技術そのものを語る場とは考えていないので、詳しく書かないことにする。

自己相似イヤリングを描くために「かなりややこしいこと」を駆使して無理矢理多重ループで複雑なプログラムを書こうとするよりももっと直感的に理解しやすいプログラミングのやり方がある。
再帰関数である。 

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2016年07月29日

プログラミングを始めたのは中学生の時だった。
最初にプログラミングを学んで、一番衝撃だったのは「ループ」だった。

ああ、これでもう短調な繰り返し作業はしなくて済む。

と思った。

ループを知って初めて書いたプログラムを仮想プログラミング言語で書くと下記のようになる。

 1: ループ[
 2:   "アホ"と表示
 3: ]ループここまで

上記のコードはいわゆる「無限ループ」というもので、一度実行させるとプログラムをストップするまで「アホ」という文字を表示し続ける。続きを読む

2016年07月28日

瞑想するコンピューター002
tesh nakamura 「瞑想するコンピューター002」

思考作品:瞑想するコンピューター001」を作るとき、僕は悩んだ。
ループのカウントの最大値を108にすべきかどうか。 

仏教では数珠の数が108で、それをひとつずつ送りながら念仏を唱えことで回数を数える。
それを意味していた。

これは、仏教での念仏をイメージしたものではないのだろうか?
僕の作品自身がゲスでヤンスになってしまうのではないだろうか?
という悩み。

発表後にいただいた感想では108という数字を煩悩の数、と連想して、「煩悩が消えては立ち現われている」という様を表している、という解釈をした、というものもあった。
僕の作品からそこまで読み解いていただいたことは嬉しかったが、自分の作品が何かを象徴するものになってしまったことを反省した。

そこで、改めて「思考作品:瞑想するコンピューター002」として、今回はループのカウントの最大値を、2バイトで表すことができる最大値、65535とした。これはプログラミングで最大値としてよく使われる値であり、何も象徴するものではない。

001、002ともにループは無限であり、その間何も表示することはない、という点は変わらないのだが。 


myinnerasia at 08:06|PermalinkComments(0)作品 

2016年07月27日

フラクタル幾何学の特徴のひとつであった「自己相似」について。
全体を構成する「部分」が全体と同じ形をした縮小形である、ということを「自己相似」という。
自己相似を再帰的に繰り返すことにより、「爆発」が起こり、それまで整数でしか表すことができないと思われていた「次元」が、非整数のものもある、ということに気付かされる。

これをもうすこし具体的な例で示してみようと思う。
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