ゲスでヤンス

2016年09月07日

"バズワード"とは、「もっともらしいけれど実際には定義や意味が曖昧な用語(wikipediaより)」という、ネガティブな意味で使われることが多いが、英語での意味は単に「流行語」と同じぐらいの意味合いらしい。
だいたいは猫も杓子も使い始めた流行りの言葉について、「あんなのはバズワードだ」と揶揄するときに使うのが一般的な使われ方だ。

バズワードはIT業界から生まれることがほとんどで、その発信源はどこかの大学の偉い人が考え出したある概念なのかも分からないし、あるいはマーケティング目的のゲスでヤンスなものなのかも知れない。

いずれにせよ、そのバズワードの本質について深堀りしないまま、ゲスでヤンスな経営者が「へっへっへっ、これからは◯◯でヤンス。我社はこれから◯◯で行くでゲス」などいうものがあまりにも目立つので、バズワードというものがネガティブなイメージを持つことになるし、あるいはバズワードを妄信して突き進んでいる人を見たらバカに見えたりするのだ。

本当はバズワードとはどうつきあっていけばいいのだろうか?
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2016年08月15日

自らを「科学ジャーナリスト」と名乗る人が、ある雑誌が血液型特集をしたことについて、以下のようにツイートしている。


血液型性格診断がニセ科学であることが「言うまでもないこと」であるというのであれば、ニセでない科学とは何なのかを、この科学ジャーナリストに聞いてみたい。
 
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2016年08月12日

かつて、「アンケートによって空間の快適さを評価する」というゆるい研究をやっていた研究者に、僕の研究内容について、「そんなものは科学ではない」と批判されたことを今でも根に持っている。

「空間の快適さ」という極めて主観的な問題について、「快適さ」の定義も曖昧なままに、一般人へのアンケートによって解を求めるという怠慢さ。

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2016年07月16日

ティム・オライリーが提唱した「Web 2.0」という言葉が、その時代とそれからのテクノロジーを表す言葉としてバズワードになっていた時代、当時僕が勤めていた会社の社長が、社内向けの演説で、「うちはもうとっくにWeb 2.0なんか超えている。これからはWeb 3.0だ!」と言って鼓舞していた。

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2016年07月03日

Minnerasiaを始めるずっと前に、かつて僕はAlifeGardenというサイトをやっていたことがある。
AlifeGardenは人工生態系に500匹の人工生命を放ちそれが進化する、というもので、登録した会員は自分の人工生命(当時は"虫"と呼んでいた)を選び、その虫と他の虫との間に子供が生まれたらそれも自分のものになる、というゲームだった。
各虫が持っている特徴や形は各個体が持つDNAとして保持され、別の個体のDNAと交配して、遺伝的アルゴリズムで生成された新たな個体が生まれる、というものであった。

それはMinnerasiaと同じく、すべて英語でやっていたため、世界中からアクセスがあり、マニアックな人々の間で人気になった。米国版のWired誌でとりあげられたことや、アメリカのテレビ番組にも(無断で)放送されたことがあったようだ。(僕は日本にいたのでその放送を観ていないが、「テレビで見て来ました」という人がたくさんいた。)

国内では時々雑誌に載ったりはあったが、冷ややかなものであった。
もともと英語でやっていたので、日本では受け入れられ難い、というのもあったが、僕はどうせ日本ではウケないだろう、と思って最初から英語でやっていた。

当時の日本では「たまごっち」のブームがあった。
僕はたまごっちを持っていなかったのでよく分からないが、AlifeGardenとたまごっちを比べる、ということもされた。
雑誌の取材で「たまごっちとの違いは?」などと聞かれることもあった。

たまごっちは基本的に「予定調和のゲーム」である。
「◯◯になったら△△になる」ということが予め仕組まれている。「世話をしなければ死んでしまう」といった具合に。
たまごっちを楽しむ人は、それが大きくなったとか、◯◯になったとか、そういうのを楽しんでいるんだろうが、全部仕組まれたものだ。

それに対してAlifeGardenは予定不調和である。
そのプログラムを創った僕にさえ、どういうものになるかは分からない。ゲームに参加する人も、虫に触ることもできなければ、生態系に何らかの影響を与えることもできない。どういう性質を持てばその環境で"優性=強者"になるのかさえ分からない。ただ眺めて、自分の虫が子供を産むのを待つだけ。
この予定不調和性こそがAlifeGardenのおもしろさである、と僕は思っていたのだが、こんなものが日本でウケるとはどうしても思えなかった。
たまごっちがウケる世界で。

そのたまごっちが久しぶりに復活したようだが、今のたまごっちは死なない仕様になっている、と聞いて驚いた。
この記事によると、「購買層が女子小学生中心のため、"死ぬ"ことがショッキングと感じられるかもしれないと考え、代わりに"手紙を置いてお別れする"という形にした」とある。
「感じられるかもしれないと考え」というところにゲスでヤンス野郎の姿がちらつく。

へっへっへっ、たまごっちが飛ぶように売れてるでヤンスが、死んでしまうのは小学生にはキツいかも分からないでゲス。なので死なないようにしたほうがもっと売れてウハウハでヤンス。

予定調和ゲームでありながら、「死ぬ」という結末を用意していないのは生命について考えなさすぎである。
こんな粗末なものと比べられていたのか、と思うと何ともやりきれない思いだ。

ところがこの記事を読むと、新しいバージョンで"死ぬ仕様"が復活するとのこと。
今度は親の遺伝子を受け継いで何代も続くとのことで、その家系図を描くために死ぬ必要ができたから"死ぬ仕様"を復活させるのだとか。
まあ遺伝的アルゴリズムとかを取り入れて、とかそういうおもしろさを追求したものではなさそうなので安心ではあるが。
もうゲスでヤンス野郎の暴走は止まらない。もともとないとは思っていたが、コンセプトも何もない。

これからは遺伝子でヤンスよ。親の遺伝子をかけ合わせて親に似た子供ができて、それを家系図にしたらおもしろいでゲス。
おっと、そのためにはたまごっちには死んでもらわないとならんでゲスなあ。

お前が死ね、と言ってやりたい。

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